人は変わることができる

連休中にテレビで見た沖縄の宮古島で人気の民宿を営む女将さんの話です。
彼女はご主人と共に那覇に出ます。
やがてご主人は建設会社を興し成功します。
しかし、数年後に倒産、子供を抱え生活保護を受けてなんとかしのぐのですが、
ある時、泥棒に入られ生活保護費まで持って行かれ悲嘆に暮れて一家心中まで考えます。

一家は着の身着のまま宮古島に戻ります。
そして一念発起して民宿を開きます。
その時彼女は40を超えていました。
そして自分を変えようとします。
とにかく笑顔、暗い自分を変えて、とにかく明るい笑顔の女将になろうと自分に言い聞かせます。
でもなんと2年間、一人の客も来ない。

これでは食えないのでパパイヤの栽培に手を出します。
ようやく収穫と思ったら台風で集荷直前のパパイヤの実は全て落ちてしまいます。
悲嘆にくれた彼女は塩漬けにしようとします。
ところが慌てた彼女はパパイヤの実の皮を剥かないまま塩漬けにしてしまいます。
大失敗です。
でもこれが彼女に幸運をもたらします。

通常、パパイヤのお漬物は皮を剥いてするものと思われていました。
ところが皮付きのものは意外とコリコリとした食感で美味しいのです。
これが評判となってバカ売れします。
もともと、料理はうまく、豚の角煮なんかも一緒に売れます。
今では宮古島一番の有名土産品になり、その種類も20種類ぐらいにまで増えています。

民宿はいまでは全国からリピーターが訪れ、島一番の人気の民宿です。
人気の理由は、明るく笑顔を絶やさない女将さんのおもてなしとおいしく素朴な八重山料理です。
彼女は60を前にしてもっとお客様を喜ばせ、宮古島に貢献したいとなんとバスガイドに挑戦します。
バス会社もびっくりのオバちゃんバスガイドの誕生です。
これも人気を呼んで益々、彼女を慕って観光客が彼女の元に集まります。

今、70過ぎた歳になっても彼女は第一線で働いています。
息子夫婦も彼女を支えてくれておりいつでも引退できるのですが、テレビで見てもひたすら真面目に一生懸命、全力投入で頑張ります。
とびきりの笑顔をふりまきながらです。
民宿の宿泊客達は女将さんとハグまでして別れを惜しみます。
「また来るよ」

一家心中まで追い詰められた彼女を支えたのはとにかく自分を明るく笑顔の女に変えたいという自分との約束でした。
過去は変えられません。
でも自分は変えられます。
ただし、その人の努力次第ではありますが・・
でもそのご褒美を神様はちゃんと用意してくれている。
そんな思いを強くした宮古島の話でした。
では、フィロソフィのⅢの７、「真面目に一生懸命に仕事に打ち込む」を読みます。