フィロソフィがあればこそ

昨日、京都での塾長例会に3人で行ってきました。
2人の方が経営体験発表されたのですが、そのうちの大分塾の方の話が大変感銘を受けたのでご紹介します。
その方は高卒で親の世話で就職した先を1年足らず辞めてしまいます。
怒った両親からは勘当されてしまい家を出されてしまいます。
学習教材の会社に転がり込み、そこでセールスマンとして力をつけます。
でも、そこも仲間を誘って辞めてしまい、名古屋で同じような教材の訪問販売を事業を起こします。

これは軌道に乗り、経営なんてたいしたことないやと思った矢先、創業メンバーの一人にお金を持ち逃げされあえなく倒産。
借金を抱え夜逃げ同然で嫁さんの実家の大分に転がり込みます。
若い夫婦は人口6万人の小さな地方都市でどうやって食べていこうかと相談し、小さな資本でもやれるフレッシュジュースのお店を始めます。
それも100%果汁で、注文を受けてから作るというもので、高栄養、まがい品一切なし、味も申し分ない、ただし、通常2~3百円がいいところのジュースが、最低客単価が5百円以上でないと採算が取れない。
周囲はそんな商売が田舎で成り立つわけがないと猛反対しますが、最早、後がない二人はそのビジネスに挑戦します。
でも、本物志向の時代の流れもあり、お客さんは徐々に付き始め商売は軌道に乗っていきます。

目標の10店舗まであともう一歩の9店まで来た時、自宅で奥さんが倒れます。
ようやく借金が返せるメドがつき始めた矢先の出来事でした。
心筋梗塞、すでに息はなく、わずか3か月の乳飲み子を守るように胸に抱えたまま息絶えていたそうです。
わずか32歳の命でした。
給与計算と経理は一切、奥さんが担当しており、テーブルにはその月の経理処理と給与明細がすべてきちんと添えられていたそうです。
彼は一度に妻とビジネスのパートナー、そして心の支えを無くします。
育児と仕事を抱え、彼は悪戦苦闘します。
しかも母乳から粉ミルクに変えた途端、その子供が大変な食物アレルギーを抱えていることが判明、子供の栄養をどう確保するかという問題まで抱えます。

世間は夜逃げ同然で大分に来た彼に、嫁さんにあんな苦労をかけるからあんなことになるんや、大変な婿さんを入れたもんだといった心無い陰口を叩きます。
彼はその時「もうダメだと思った時が仕事の始まり」とのフィロソフィを思い出し、なんとか頑張ろうと一生懸命踏ん張ります。
その時、勘当して音信不通状態の彼の両親が訪れ、両親は仕事を辞めた、この子は責任を持って私達が育てるからと声をかけてくれます。
彼の従業員の女性からも母乳が出る人が交代交替で母乳を与えに来てくれるようにもなります。
こうして彼は周囲に支えられ、奥さんと始めたジュース販売に渾身の力を込めます。
義理のお父さんからも本当の息子と思う、応援するから頑張れと励まされます。
今ではジュースだけでなく子供のアレルギーもあって、農家と直接契約した有機栽培の野菜を専門に扱う野菜レストランも始め、これも軌道に乗ります。
今では年商7億8千万円、経常利益率11%の優良企業になりました。
彼は言います。
「フィロソフィがあったからここまでこれた」私もそう思います。

フィロソフィがなかったら気持ちは萎え、私であればどこかの場末の酒場でくちはてていたのではないかと思います。
私は苦楽を共にし、辛い時に互いに支え合える彼のような会社に当社もしたいと強く思いました。
互いに思いやり、強い連帯感で結ばれた会社。
32歳でこの世を去った彼の奥さんは身を持ってそのことを教えてくれたのではないでしょうか。
地域のコミュニテイ―は崩壊し、家庭も少子化の中で、互いに助け合うにも限界があるのが今の時代です。
借金まみれの国はあてにはできません。
だからこそ会社がそうした存在になっていかなければならないのではないかと私は思っています。
時にはまだ売り上げが足りん、利益が足りんときついことも度々言うと思います。
でも、食べるに事欠くような家庭で思いやりどころでなくなってしまうように、会社も継続的に売上を伸ばし、利益を出し続けてこそ皆さんを守っていくことができるのです。
そのベースとなるのがフィロソフィです。
フィロソフィの重要性を改めて教えられた貴重な盛和塾の例会でした。


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