一日一善は難しい

社員のＴさんとＳさんの３人で那覇出張した際のことです。
ロッカールームに荷物を入れようということになり、一番大きな６百円のロッカーに３人の荷物を無理やり押し込んで、さてお金を入れようとするとなんと五百円玉に対応していなくて百円玉しか受け付けないのです。
さて困った、と思ったら３人の財布で小銭が結構あり、事なきを得ました。
丁度その時、もう一人の青年が大きなスーツケースを同じように６百円のロッカーに入れようとしていました。
私はすぐに気がつかなかったのですが、その青年は五百円玉を入れようとして四苦八苦していました。

社員のＳさんがそれを目ざとく見つけて百円玉しかダメですよと言いました。
すると青年は百円玉は一つしかなく、お札はあるのですが、近くに両替してくれそうな場所はありません。
ハタ困ったとなって、また再び、私達３人も財布の底をあさりだしました。
うまいぐあいに私のポケットにも百円玉が４つあり、Ｓさんが１つ持っていて、相手の彼は百円玉を一つ持っていたのでこれで６百円になります。
それでいいと思ったのですが、相手が申し訳ないと言うので彼の千円札とSさんが五百円玉と私達の百円玉５つを足して両替する形にしました。

これでお互い損得なしですが、彼は悪いと思ったのでしょう。
千百円、私たちに渡そうとしましたがそれは固く辞退して私達３人はちょっぴりいいことをしたかなというすがすがしい気分を味わいました。
陰湿録の話を家でし、そのＣＤを妻も聞いてから、私達夫婦も一日ひとつはいいことをしよう、それを報告し合おうと決めたのですが、お互い気がついたことはいいことをするというのは意外と大変だということです。
常にその意識をどこかにもっていないと例え１つでもいいことはできないというのが二人の共通結論でした。
沖縄での件は早速、妻に報告しました。
「３日間いてそれだけ」とは、妻には言われましたが私にとってはいい思い出となりました。