経営者ほど幸せな職業はない

以前私は、社長業というのはなんと割の合わない仕事なんだろう、こんなことならあのまま公的機関でのんびり仕事をしていた方が良かったのではないかと悔やんだことは一度や二度ではありません。

社員さんの給料を上げないでもいいと思っている社長さんはまずいないと思います。
でも上げるためには業績がついて回りますし、しかも一度上げれば下げられませんから無理なアップは首を絞めかねません。
でも、社員の方は毎年給料は上がるものだ、賞与は支給されるものだと思っています。
生意気ないい方かもしれませんが経営はすべて社長の責任でその癖、文句だけは言ってくる。
社員さんは気に入らなければさっさと会社を去るけど、社長は去ることもできない。
一旦、経営が厳しくなれば資金繰りが追いかけて来て、もし破綻すればやっとの思いで手に入れた家屋敷、全部もっていかれてしまう。
それだけリスキーなのに社員の方の10倍も20倍も給料をもらえるわけではない。
15年ほど前の私は、自分で起業した癖に被害者意識を持った、不満たらたらの社長でした。
でも世の中の経営者の多くはそんなものだろうと思います。

そんな不満や愚痴が出始めた途端に会社の業績は伸び悩み始めました。
多分、それまでは創業の勢いそのままで息つく暇もなかったから不満や愚痴をついてる暇もなかったのだろうと思います。
それが稲盛フィロソフィを真剣に学び始めてから徐々に考え方が変わってきました。

『経営者というのは従業員を幸せにしていくためだけに会社を守り、伸ばしていくという使命を持っている』

厳しい言葉ですが、今の私にはこれは温かい言葉に聞こえます。
塾長のこの言葉にも救われました。

『5人でも10人でも従業員を雇い、その家族も含めて養っていくというのは並大抵ではない。そのこと自体が世のために人のために尽くすということにつながっている。日本の99.7%は中小企業です。企業は税金を納めるだけでなく雇用された人たちも税金を納めます。中小企業を中心とする企業経営者が国家、国民を支えているのです』

塾長の言われることの意味を何度もかみしめてそして何年もかかりましたが私はようやく理解しました。
私は皆さんが幸せになってもらうために存在しています。
毎日毎日、会社のことを考え、いかに会社はよくなれるか、どうしたら永続的に発展し、社員の方が安心と誇りを持って働く職場にすることができるのかと、そればかり考えています。
まさに経営理念の実現なのですが、その時、社長業は実は利他行なのだと気がついたのです。
私は会社の誰よりも利他行を実践しなければならない立場に、神様か仏様のはからいでならさせてもらえた。
社長業は生き方そのものが利他になるというか、いい経営をしようと思えば利他にならざるを得ないのだと思います。
経営者として頑張ることが即、徳を積んで行くことになる。
もちろん私の利他行なんてまだまだなのですが、そう理解したとたんに自分は実に幸せ者なんだと気持ちがすーと楽になりました。
そうすると自分の報酬への関心よりも、なんとか当社の給与水準をもっと上げたいと思うようになりました。

当社の給与については実力や社歴等で個人差はあり、中には不満に持っている人もいるでしょうが、平均すれば福井では世間並の給料は出していると思っています。
でも福井の基準ではなく全国ベースでみてもそこそこ高いと言われるレベルを目指したいと思っています。
自分のためではない社員の皆さんのために頑張るのだと思っているといい加減なことはできません。
「私がいい加減だと社員の皆さんを不幸にするのだ」、そのように考え方が変わってきてから会社の業績は徐々に上がって来ました。
時々、きついことも幹部の方々には言いますが、それも私のためではありません、皆さん自身の幸せの実現のためなので堂々と言わせていただきます。

各チームにリーダーがいます。
実はそのリーダーもチームの社長ですからチームの誰よりも利他行を積める立場にいます。
チーム員を幸せにすることがリーダーにとっての利他行なのです。
それは何もチームの業績を上げてチーム員の給料をよくするだけではありません。
仕事を覚えてもらい、さらには仕事の意義を説いてやる気も高めてもらい、さらにフィロソフィも説いて人間としても成長してもらう。
こんな素晴らしい行為はないのです。
そしてその行為は自らの幸福感となって自分に返ってくるのです。

以前は、経営者になるのは前世が悪かったんだと自分を慰めていましたが、その立場のありがたさを何もわかっていない私は馬鹿者でした。
部下を成長させ、幸せにする立派なリーダーは間違いなく幸せになります。
ただし、その立場にありながらそのありがたみを以前の私のように理解しないでいるとその責任の重さ故に逆に不幸になります。
結局、その立場をどう受け止めるかその人の考え方次第なのです。
今リーダー職にある人は是非、その立場の意義とその幸福を感じてください。
まだ、リーダー職にない人は是非、成長してリーダーになって部下を幸せにする自分の姿をイメージしてみてください。
私もリーダーもそして社員の皆さんも幸せを手にすることができるのかどうか、そのキーワードは利他なのです。
まさに自利利他なのです。

今朝のフィロソフィは利他の心を判断基準にするです。


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