素直な心

今週の京セラフィロソフィの社内勉強会で松下幸之助のダム式経営論にまつわる話が出ました。
何度も話していることではありますが、再度取り上げたいと思います。
松下幸之助のダム式経営論とは、「経営はダムのごとし。余裕のある時に水を蓄え、必要に応じて水を流すダムのように、経営においても余裕のある時に資金を蓄え、必要に応じ少しづつ資金を使っていくような慎重な経営をしなければならない」というものです。

当たり前といえば当たり前のように聞こえるかもしれませんが、世の経営者は私も含めてなかなかこれができない。

ある時、「松下幸之助、ダム式経営論を語る」と題して大阪で講演会が開かれます。
天下の経営の神様の講演会ですから多くの経営者が聴衆として集まります。
そして先に述べたようなダム式経営論の話をします。
講演が終わり、ある人が手を上げて質問をします。
「ダムの必要性はよくわかりました。でも、肝心のそのダムはどうやったら作れるのですか。皆、それができなくて苦労している」
ごもっともと、思える質問です。
聴衆は固唾を飲んで”神様”を見つめます。
松下幸之助なんと答えたか。

「それはそう思わんといけませんな」
ぼそっと、たった一言だったといいます。
皆、あっけにとられ、失笑すらもれたと言います。
しかし、ただ一人、「そうか、まず思わないといけないのか」と、合点がいった人がいます。
それが稲盛和夫さんです。

ざっと以上のような逸話なのですが、私もその場にいたらなんだぁ~、肝心のことは教えてくれないんだ~というようにひがんだかもしれませんね。
稲盛さんはそれを実に素直に受け入れ、実践したわけです。
「自分の周りに起きる事象、すべて自分の心の反映である」
これも松下幸之助の言葉です。
人の心、思いの強さを松下幸之助は盛んに強調しています。
稲盛さんは心を高める、心の経営を常々おっしゃっておられます。
両者には共通項が多くあります。
というか、松下幸之助さんに稲盛和夫さんが多くを学び、その後継者となったとも言えるかもしれません。

経営において心が大切なように、会社においてもトップ以下、その構成メンバーの心のありようがものすごく重要です。
私が常々、全員のベクトルを合わせましょうと言いますが、人の思いというものがそれだけ強い存在ですから、それが一致結束すれば、思いを一つにすればそれほどパワーを発揮するものはありません。
それがてんでバラバラでは、思いの強さゆえに互いに反発しあい、パワーは分散します。
毎週一回こうして朝礼で私が話をし、同じく毎週一回、京セラフィロソフィ勉強会をグループごとに開催しているのも、すべてみんなの思いを一つにまとめるためだと言っても過言ではありません。
その時、大事なことは素直な心です。
稲盛さんが失笑がもれるような松下幸之助さんの話を素直に受け入れたようにです。

松下幸之助さんのある本を立ち読みしていたら、成功するリーダーの条件のひとつに素直な心を持つというのがありました。
リーダーの方はすでに覚えているかと思いますが、京セラフィロソフィ16条に同じく、「素直な心を持つ」とあります。
素直な心というのは、謙虚さに通じます。
我の強い私は、この素直な心を持つことに未だに悪戦苦闘しています。
ただ、最近わかってきました。
世の中、素直な心を持てない人の方が多い。
そしてそういう人の方が、うまくいかないことが多く苦しんでいたり、周囲から浮いていたりしています。
年の瀬を迎えていますが、今一度、素直な心を持ってわが身を振り返り、そして改めてみんなでベクトルを合わせて来年に向かって邁進していきたいと思った次第です。


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