大きな利他と小さな利他

5月の社内フィロソフィ研修会で取り上げた新潟の印章業の盛和塾生・大谷さんの壮絶な人生、そして利他に徹した生き方は皆さんも色々考えさせられた部分が多かったのではないしょうか。
その際、稲盛塾長は高齢化していく障害者の社員のために一生涯面倒を看れる施設を建てるためにも株式上場をしたいと夢を語った大谷さんの生き方を「大きな利他」と評したのですが、大きな利他があるなら小さな利他も当然あります。
この話はグループによって話したグループがあったり、なかったりしたものですから朝礼で再度取り上げます。

では、小さな利他、要するに利他の始まりは何なのでしょうか。
稲盛さんはそれを親孝行だと言っています。
私はそれまで利他の始まりは家族への愛だと思っていたのですが、なるほど家族愛ではなく親孝行だと思いなおしました。
親孝行も家族愛に含まれると思う人もいるかもしれませんが、人としての利他という観点からみるとちょっと違います。
稲盛さんの説明は次のような言葉です。

「母性本能のような遺伝子にインプットされている子供に対する愛情と違い、子供が親を大事にするというのは遺伝子に組み込まれていない道徳として教わり、自ら言い聞かせなければ身につくものではないと言われています。だから宗教家宗教や倫理として親孝行を説き続けているのです。」

これを私流に解釈すると、そもそも親が子を思う気持ちは動物すべてにすべからくインプットされており、生まれながらの本能です。
だからどんな動物でも親は一生懸命子育てをします。
ちょうど燕の巣立ちのシーズンでやかましいくらいひな鳥は口を開け、親鳥は餌をやっては飛び立ちを繰り返しています。
まさに愛くるしい親子愛なのですが、これは本能でやっているだけのことです。
従って親が子を虐待するというのは動物以下の行為、燕の親にも劣る行為と言わざるを得ないのです。
まさに人間失格どころか動物失格なのです。
でも、あれだけ世話になった小鳥達の巣立ちはあっけないものです。
親も親で次の巣作りがいずれまた始まりますからそんな感傷に浸っている暇などないのです。
子が親を思う気持ちは遺伝子にインプットされていないのです。
従って子が親思う親孝行は動物にはできない行為、つまり人間だけがその権利を有しているわけです。
動物と人を分けるものは利他、他者への思いやりです、あるいは人様から喜んでもらって、感謝されて、それを自分の喜びとするという感情が人間だけが持ちうる心なのです。
親孝行はまさに一番最初の人間としての利他の始まりなのです。
昔の人たちが口癖のように親孝行しないさいと言ったのにはわけがあるのです。
家族への愛情を否定するものではありませんが、それは動物でも持っている当たり前の心であり、人として見れば利他は親孝行から始まるのです。
ですから中国の盛和塾生の企業で親孝行手当てを出している企業すらあるのです。
私は父親をはやくに亡くし、数年前に母親も亡くなりもはや両親はおらず、こんなことなら元気な時にもっと親孝行しておくのだったと今更ながら悔やむのですが、せめてもの罪滅ぼしで毎朝、仏壇に手を合わせて冥福を祈り、感謝の言葉を送り、月に一度は必ず墓参りをするようにしています。
小さな利他をやろうにもできない私にとっての小さな利他がそれです。
親孝行どころか、動物以下の虐待が問題になる昨今ですが、どうか皆さんには利他の始まりは親孝行なのだということを頭に置き、面と向かっては恥ずかしいこともあるかもしれませんが、利他の始まりをスタートしていただければ、きっと会社においても利他の心が反映されて素晴らしい仕事ができるようになり、人生もより有意義になると私は確信しています。

児童養護施設の吉江学園さんへの奉仕活動を当社は続けていますが、先日、当社が寄贈したパソコンで実施したパソコン教室に参加した中学生の子どもたちからお礼の手紙が届きました。
社内で回覧させていただきましたが、心温まるいい手紙でした。
人様から感謝されてうれしくない人はいません。
確かに私たちはいいことをしたかもしれないけど、あの子たちが私たちを受け入れてくれたからパソコン教室も開けたわけで、そして心温まる感謝のお手紙もいただけたわけです。
そして私たちの心も実に幸せな心地よい思いになれたわけです。
まさに自利利他、情けは人の為ならず。
今後もこうした利他的な奉仕活動が続けられる会社でありたいと思います。
今朝のフィロソフィは利他の心を判断基準にするです。


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