自分たちで新たな市場を創造する

研究開発のテーマの設定について稲盛さんは次のように言われています。
『自分が得意な技術の延長線上にあるものであれば、アプリケーション(応用)が効きます。必ず技術をつなげて製品を開発していきます。その方が手堅いのです』
まず、自分たちが有している技術の延長線で勝負する。
飛び石は打たないから手堅いというわけです。
その上で、『自分が最も得意とする技を世界に通用するレベルにまで磨いてその技術一本で勝負をかけていくように研究テーマを選んでいる』と言っています。
得意技一本で世界と勝負できるまでに磨き上げるというわけです。

とどのつまり京セラが選択した研究開発テーマは、『マーケットを無視するわけではありませんが、自分たちが持っている優秀な技術や材料を使ってマーケットを見出していくというひと昔前の開発に近い方法』であり、『マーケットが存在していなければ自分でマーケットをつくればいいではないか』と言い切っています。
この文章は今から40年以上も前の講演録を元にしています。
プロダクトアウトからマーケットインに発想を切り替えるべきだと言われ始めた頃からそれとは真逆にマーケットニーズへの対応よりもマーケットクリエーションを強調していたことになります。

今の日本はどうでしょうか。
日本の技術力と競争力の低下が言われ、ものづくり大国は最早風前のともし火です。
我々のIT分野でもメードインジャパンを探すのが大変なくらいでスマホどころかパソコンも外国製、ITサービスに至ってはGAFAに代表されるように米国企業が世界を席巻しています。
GAFAはまさに自分たちの得意技で市場をつくってしまいました。
自分たちがつくった市場ですから独占状態が長く続いています。
マーケットニーズを追いかけた結果、日本の携帯はガラ携とさげすまれ、市場から消えていきました。
稲盛さんの言っていた自分たちの得意技を磨いた上で、徹底したプロダクトアウト作戦はGAFAそのものです。
今さらながら先見の明というか、稲盛経営哲学の普遍性には恐れ入ったというしかありません。
ただ、日本人は応用力はあっても、独自で発想するという創造性には乏しいような気がします。
いわば日本人が苦手な土俵で今は相撲を取らされているわけです。

でも当社で言えばBtoCのネットショップの分野とか教育関係の分野でこれまでにない市場を創り出せると私は思っています。
つまり隙間を埋めていくとか、より専門性の高い分野に特化していくとか、我々日本の中小企業が生き残っていく道は必ずあると思っています。
ICTはその可能性に満ちています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)はその典型です。
得意分野と得意技術を磨いていけば道は開けるはずです。
求められていることは私たちの創造性を高めていくことであり、そのためには日常的な創意工夫という地道な努力を重ねていくしかないのだろうと思います。
同時に完璧主義を徹底させ、常に高品質の確保、常に新技術の導入に貪欲でなければなりません。
高収益業となり、全社員の物心両面の幸福を実現するために、私たち自らの手でマーケットを創造していくのだとの気概を持って新しい年を迎えたいと思います。


システム研究所
お客さまのために、社員のために。
ソフト開発、ホームページ制作、パソコンサポート、パソコン教室 などITを通して喜びを提供する企業
株式会社システム研究所

i-通販
ネットショップの受注管理や送り状の通販システムでお困りの皆様。
i-通販(アイツーハン)は、操作ラクラク、業界最安値、無料キャンペーン実施中。
クラウド対応なので即日利用可能、多彩なシステム連携、カスタマイズOK!
電話サポート無料対応。

カテゴリー: ブログ   パーマリンク

コメントは受け付けていません。