江戸時代から学ぶ今後の日本

先週の日曜日に福井北RCの50周年記念行事として徳川記念財団理事長の徳川恒孝さんの講演がありました。
大河ドラマのお江がらみの話かなぐらいの気持ちで行ったのですが、講演の内容はなかなか示唆に富むものでした。
戦国時代が終焉し、徳川幕府が開かれ日本全土に平和がもたらせられます。
それまでほとんどの税金は戦費に消えていましたが、それら民へと活用されるようになります。
治水や街道整備、新田開発、教育などです。
それまでは治水は戦時を考えればむしろいつでも堤防を切って敵の侵入を防ぐべきもので治水の必要性すらなかったわけです。
同じように街道も整備したらかえって敵の進行が早まるだけでした。
そうした投資が日本全土で起こり、経済は活性化され、富が分配され、一気に活性化します。
その結果人口は戦国時代の1200万人から3000万人へと拡大、徳川幕府設立から80年たらずで日本は栄華を極めます。
元禄時代、歌舞伎がもてはやされ、豪華絢爛の着物や生活がはやります。
まさにバブルの到来です。
ところが18世紀に入り、富士山の大噴火で様相は一変します。
大飢饉が訪れ、自然のキャパと人口のバランスが取れなくなります。
ここで登場するのが徳川吉宗の享保の改革です。
彼は生涯木綿の着物しか着ず、徹底した緊縮財政、質素倹約の行政を展開します。
一方で、できるだけ金をかけずに民を楽しませることを考え、公園を整備し、桜の木を植えます。
花見はこの時代から始まったそうです。
その他、川柳や菊の品評会なども吉宗は奨励しました。
こうして享保の改革から治安は安定し、教育水準が上がり、質素倹約が定着しました。
今の日本人の生活習慣や資質はほぼこの時期に形成されたと言われています。
鎖国が解かれ、江戸末期から明治にかけて日本を訪れた外国人は誰も日本人の教育水準の高さと思慮深い言動に驚愕し、「この国の人は貧乏だけど貧困ではない」と畏敬の念を覚えたことが数々の資料からわかるそうです。
一方現代、第二次世界大戦で破れ、日本は焦土と化します。
ただ、戦時中は85%を占めた戦費が一気に民へと向かいます。
その結果、経済は一直線に拡大し、まるで江戸時代の元禄期のよな派手な社会が登場します。
そして今回の大震災です。
徳川さんは戦国時代から元禄、そし富士山の大噴火への経緯と戦後のから今回の大震災への流れ、それぞれの時代背景がよく似ていると指摘します。
では、吉宗のような改革者がこれから登場し、そして経済を自然とのバランスで収縮させ、清貧を楽しむ社会がくるのでしょうか。
でもそんな我慢が日本人ができるかどうかもわかりません。
ただ、はっきり言えるのはこれから日本と日本人は大きな転換点を迎え、選択を迫られることは間違いないような気がします。
江戸時代のような清貧生活に一気にぶれるとは思えません。
一方で、エネルギーを始めなんでも無尽蔵に消費する元禄時代がこの先も許されるとも思えません。
ではどうしたらいいのか。
誰も答えを出せずにいる。
それは国全体にも、我々会社にも、そして日本人個々にも問われている。
ただ、日本人の議論は極端から極端に走る傾向が高いので要はどうバランスを取って長期的展望で着地点を求めていかざるを得ないのだろうと思います。
そうは思いつつもいずれにせよ難しい時代が来るだろうな~と、徳川さんの講演を聞きながら思わずにはいられませんでした。


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