原稿を読み上げる稲盛塾長

一番最初に盛和塾で稲盛塾長の講話を聴いた時の私の感想は、生意気にも、なんとも固い話だなぁというものでした。
その時のテーマがなんせ「六波羅蜜」でして、この説明は省きますが仏教のお寺の説法では時たま出てくる内容でしたのでなおさらですが、そのテーマもさることながら、稲盛さんは淡々と原稿を読み上げるだけでアドリブは一切ありません。
それもあって正直言って、なんか堅苦しく感じたのだと思います。

でも、何度かお話を聞くうちに、塾長は何日もかけて原稿を準備され、それを一言一句、私達に伝えることを真剣に考えているからこそ、アドリブを排し、正確に間違いなく、私達に教えることに抜けがないように原稿を書き上げ、読んでくれていることに気がつきました。
何故なら塾長ほどの人になれば、塾生から様々質問や相談を受けてもその場でほぼ完璧な答えを返してくれます。
そんなシーンを私は何度も見てきました。
にも関わらずお忙しい中、すべて原稿に落とし込んでいる。
私達は、スピーチなどでも原稿もなしでペラペラとしゃべる人を見るとなんと弁の立つ人か、すごい人だなと思います。
むしろ原稿を読み上げている人を見るとかっこ悪いとすら思います。

京セラフィロソフィにも出てくる呻吟語という中国の書物の中で、次のようなくだりがあります。
「聡明才弁ナルハ是、第三等ノ資質」
頭が良くて才能があり、弁舌が立つことは三番目の資質でしかないというわけです。
「深沈厚重ナルハ是、第一等ノ資質」
つまりリーダーとして一番重要な資質とは常に深く物事を考える重厚な性格を持つ人格者であるべきだという教えです。
その場、その場で能弁な才能を発揮して、一見かっこよく見えても案外間違ったこと言っている人はいるものです。
私にもその傾向があると最近は気を付けるようにしています。
かっこ悪く見えても自分の思うことをじっくり考え、原稿にし、正確に周囲に伝える人の方が余程ましなのです。
ましてや我々凡人ですから、なおさら間違えないように、抜けがないように原稿を読めばいいのです。
そのことが理解できてからこうして朝のスピーチでもすべて原稿にするように私は変えました。
盛和塾における塾生の発表でもすべて原稿にし、発表者は何度も、何度もその原稿を読み、そして書き直します。
そのことが凡人が深沈厚重なる資質を得ていく道なのだろうと思います。

私も朝礼でのスピーチ、全社会議の報告、すべて原稿にして読むように変えました。
無理して暗記しようとはせず、その場、その場の雰囲気で内容が変わることがないように原稿を作成します。
手間は手間ですが、より正確にお伝えするにはこれが一番いい方法だと思います。
まさにパーフェクトを目指すとこうなるのだと思います。


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