心の荒廃が国を亡ぼす

連休中に「何のために生きるのか」と題した稲盛塾長と小説家・五木寛之さんの対談集を読みました。
その本において2人の賢者が共通認識として一致していたのが現代日本人の心の荒廃への強い危機感でした。
2人とも終戦を多感な少年時代に経験し、特に、私も初めて知ったのですが、今の北朝鮮で終戦を迎え、引き揚げてきた五木さんの体験は、まさに筆舌に尽くしがたい非情な体験談でした。

その経験をベースにして、国というものはどんなに経済が破たんし、はたまた国土が焼け野原となろうとも時間はかかるかもしれないが、立上がって行くことは可能だ、そんなことで国は滅びることはない。
だが、国民の心、五木さんは情と表現していましたが、これが崩壊しては国は立ち直れない。
今まさに日本はその瀬戸際にある。
毎年、3万人以上の人が自ら命を絶っている。
五木さんは本の中で次のように指摘しています。
ベトナム戦争を十五年やって亡くなったアメリカ人の数は6万4千人。
私たちは爆弾も落ちない、機関銃の弾も飛んでこない安全な社会に生きているのに、たった二年間でベトナム戦争十五年の悲惨な泥沼の戦争よりももっと多くの人命を自殺によって失っている。
この数は広島型の原子爆弾を七年に一発づつ落とし続けている計算になります。
人口減少対策が盛んに言われていますが、一番の対策は自殺防止なのかもしれません。
さらには親が子を虐待して殺したり、見ず知らずの女性や女の子を殺す若い男性の事件も次々と発生している。
稲盛さんも人間として最低守らなければならない規範をしっかり教えられないままに社会に出てしまい、自分の心のコントロールができない人が増えていると警鐘を鳴らしています。

そして2人は次のように訴えます。
これらすべての悲惨な現状は日本人の心が根本的に病んでしまったからだ、国は、そして私たちはこの問題にこそ取り組まないと大変なことになってしまう。
その本はそうした2人の強い危機感で満ちていました。
今、大相撲の春場所が湧いています。
メンタル面の強化に努めたという琴奨菊が初場所で優勝を飾り、さらにはガラスの心臓と陰口をたたかれた同じ日本人力士の稀勢の里は現時点で一敗で同じ日本人大関の豪栄道と共に優勝戦線に踏みとどまっています。
果たして二場所連続して日本人力士が優勝するのかどうか、角界は大いに盛り上がっています。
箱根駅伝を二連覇した青山学院の駅伝チームの肉体と精神面の強化が話題になり、一世を風靡したラグビーの五郎丸選手のメンタルトレーナーが本を出版して売れるなど、スポーツ界はちょっとしたメンタル強化ブームです。
ただ、先の本を読みながらそうしたスポーツ界の傾向は悪いことではないけど本当に大事なのは一般の日本国民の心の強化だと思わざるを得ませんでした。

心の強化とは単に本番に強いとか、どんな時でも平常心を保てるとかそういうことだけではなく、稲盛さんが言っているようにすぐにカッとなったり、逆に腐って落ち込んだり、人を妬んだり・恨んだり、愚痴を言ったりするマイナス思考を排除し、明るく前を向いて、地道に頑張っていく、人への思いやりや利他的な思いを持ちながら常に反省ある日々を過ごす、自分に厳しく生きていくことなのだろうと思います。
偉そうなことを言いましたが、もちろん私はまだまだではありますが、でもそうならんとして皆さんと一緒にフィロソフィを学んで心を磨き、人らしい穏やかな感情を少しでも持てるように頑張っているつもりで、そのことの意義は大きいのだと本を読んで改めて思った次第です。
とかく金満主義がはびこり、自己主張の強さが個性ともてはやされ、生き馬の目を抜くような厳しい時代ではありますが、当社は全員でこれからも愚直にフィロソフィを学び、実践し、社員の全員が心が荒廃することのない会社を目指していきます。
同時に人として生まれてきただけの値打ちのある充実した人生を送れるように互いに研鑚していく場にしたいと強く願っています。


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