大家族主義の組織論

今朝は大家族主義をちょっと違った視点で考えてみたいと思います。
私はご存じの通り福井北ロータリーに所属し、現在、会長の任にあります。
ロータリーはアメリカで誕生しています。
それ故にアメリカ的要素が随所に出てきます。

例えば組織編制の考え方です。
会長の下に役員と理事がいます。
役員というのは幹事さんとか会計とか色々あるのですが、その下に部下はおらず、どちらかと言えば会長を支えるスタッフ的な役割を担います。
対して理事はそれぞれ担当の委員会を持ち、配下に数人から10人前後の委員長を有し、委員長はさらに副委員長と数人から15人前後の委員を抱えています。
スタッフとラインを明確にし、ラインは一本の線になって会長の意向が末端に流 れていく組織体制です。
多くの組織もほとんどこのようになっているのではないでしょうか。
指示の出し方は基本的には一人ですから受ける方もその人だけを見ていればいい。
指示を出す人が何人もいれば混乱するので長く組織はこのピラミッドタイプを基本としてきました。
ただ、上下には意思が流れても横には行かないという大きな欠点を抱えています。
私自身、会長をしていてそのようなもどかしさを感じましたし、伝言ゲームのよ うにいつの間にかニュアンスが違って伝わっていたり、動き出すのが遅かったり という弊害があります。
まぁ、ロータリーのことですから実害が生じるわけではないのでちょっとのこと で目くじら立てる必要はないので私もお陰様で1年間で随分丸くなりました。

ですがこれが自分の会社のことであればそんな悠長なことは言っておられません。
ピラミッドタイプの組織の問題は以前からも指摘され、近年はこのような組織ではなく、文鎮型、いわゆるトップの下にずらりと組織が並ぶタイプの組織が流行りです。
変化が激しく、瞬時の対応が要求される、大企業であればこれがグローバルに求 められるわけですから、ピラミッドタイプの組織論は最早過去の物になりつつある。
一時期言われた事業部制や稲盛塾長のアメーバー経営も私はこうした文鎮タイプの組織の体系に入ると思います。
フィロソフィに大家族主義で経営するというのがありますが、これを組織論的に見れば、家長というトップの下に子供達がずらりと並ぶ。
お母さんという良きパートナーも居て、時にはうるさいが家長の良き相談相手のおじいちゃん、おばーちゃんもいる。
さらには家長の兄弟のおじさん家族は関連子会社のような存在です。
子供に兄弟としての序列はあるが、家長からの指示を長男から次男へ、次男から 三男へと伝えていくわけではない。
全員が一緒に家長の指示を受けて動く。
従ってアメーバー経営を実施している会社のアメーバー会議はアメーバーのトッ プが一堂に会しての大会議で、全体の方向性から個々のアメーバー抱える課題や問題までがすべてが共有されることになる。
意思決定の伝達は早く、共有化も格段に速い。
このような組織展開はユニクロやソフトバンクなど、大きく成長を遂げた会社の今や主流と言っていい。
ピラミッドタイプは東芝や三菱自動車など不祥事続きで、組織に派生したガンを放置して今や命取りの危機にある。
軽自動車でつまずいたのが三菱ですが、同じ軽自動車でもスズキは絶好調で、スズキも文鎮タイプの組織のように見える。
このように見ると文鎮タイプの組織がいいように思えるが、当社もこれを狙っているつもりなのですが、私がひとつ勘違いしていたのはトップに高い能力が要求される。
この点で正直言って私の資質では分不相応というか至らぬ点が多く、申し訳ないがフィロソフィをやってからそのことに気がついた。

実は文鎮型組織の問題はそこにあるわけでトップの資質への依存が高く、カリスマ性のある経営者が求められがちで、よしんばトップがその資質を有していたとしてもトップ交替や継承に問題が出てくる。
さらにそれぞれの文鎮のつまみになる人材、つまりリーダーの育成が実に大変で、単にポストが人を育てるというような甘いものではなかったというのが実感です。
アメーバー経営はその二つの課題をフィロソフィ教育で末端の社員の人格を高め、経営者マインドを有していくことで上手くカバーリングしている。
とは言いながらも謙虚で素直で、協調性があり、人の面倒見も良くて、利他的に周囲に気づかい、でも勇気を持って大善の気持で判断できる人なんて早々いるもんでも、簡単に育つものでもない。
リーダーを育てるのも私の能力と器量と言ってしまえばそれまでだが、ITの仕事の特殊性から人と交わることがどちらかと言えば苦手で、しかも傲慢に転落していく罠が一杯あるITという仕事という視点で考えると、当社の組織の在り方は基本は文鎮で、かつ大家族主義的な信頼関係と情報共有化を徹底させ、かつ業界特性の弊害を考慮したものにしないといけない。
そう考えるとひとつの文鎮を少し細分化し、これに若干、ピラミッド的な要素を加味できないものかと目下、悩んでいます。いずれにしても私も含めてリーダーの人材育成が急務で、そのためにも今後はリーダーは学ぶだけでなく、フィロソフィの実践を徹底してもらわなければなければならないと思っています。


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