己の心に克った人

国や宗教を問わず、同じような諺がよくあるものです。
その中で利他に関するものを取り上げると、「与えよ、さらば与えられん」「情けは人の為ならず」「積善の家に余慶あり」他にも「天は自ら助くる者を助く」
なんていうのもありました。
いずれもキリスト教や日本、中国で昔から言われている諺です。

盛和塾の機関誌を読んでいて今さらながらに知ったということが多々あります。
その一つが稲盛塾長の得度にまつわるエピソードです。
塾長は65歳を機に京セラの会長職をひき、臨済宗への得度を計画します。
その得度に入る年の1月、いつもは人間ドックに入るのだそうですが、いつも一緒の奥さんが都合が悪いということでその年は受けなかったそうです。
それから半年後の6月、中間点だからと言って秘書が無理やり日程調整をしてドックを受けさせます。
すると胃がんが発覚し、即手術となります。
ところがその手術の日はかねて出家の段取りをしていた円福寺で出家得度の初日で親しい人を集めて得度式(多分、剃髪と私は思う)を予定していました。
そこから3週間は一僧侶して修行に入る予定になっていました。
もちろん得度や修行どころではないので手術が優先されるわけですが、通常であればびっちし日程が埋まっている塾長ですから、手術のために日程を空けるのは大変な手間と世間への迷惑をかけるところをまったくそんな心配もなく手術を受けることができたそうです。
結局、胃の三分の二を摘出し、得度は手術後しばらくして容態が安定してから改めて行ったわけですが、このエピソードを知って改めて稲盛和夫という人は生かされている人だとつくづく思いました。

稲盛さんは京セラの経営から身を引き、残りの人生を盛和塾始め日本や海外の中小企業の経営者の育成のために本腰を入れようとし始めた時期です。
その為の体力確保を神や仏の計らいで胃がんの早期発見、早期手術へとなったような気がしてなりません。
身を捨てても世のため、人のためとの覚悟が運命をも変えたのかもしれません。
「人は己に克ことによって成功し、己を愛することによって失敗する」
これは西郷隆盛の言葉です。
稲盛さんが仮に己を愛するだけの人であれば胃がんは早期発見されていたのでしょうか?
得度に入るぎりぎりのタイミングで検査の日程が組まれたのも何かの采配としか私には思えません。
己を愛する心、ついつい己が大切と思って下す判断。
己の心に克ほど難しいことはないのかもしれません。
人生最大の敵は己自身の心かもしれません。
天を味方に付けた人、宇宙の意志と調和出来る人とは、己への愛に克った人なのだと稲盛さんの得度に関するエピソードを知ってつくづくそう思いました。


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