日本は先進国とは言えない！？

多くの日本人は間違いなく先進国だと思っていると思います。
スイスのシンクタンクが発表した２０１９年の国際競争力ランキングが注目されています。
日本は主要60カ国中、前年の25位からさらにランクを落として30位に沈みました。
トップはシンガポール、続いて香港、米国が３位でした。
その他のアジアでは中国が14位、マレーシアが22位、タイが25位で、韓国は日本より上の28位でした。
この調査で１９８０年代には４年連続で１位になったこともある日本ですが、残念ながらこれが現実です。

多くの日本人はそんな馬鹿なと思っていると思うのですが、ただ、つい先日中国から帰ってきたばかりの私には、凄まじいばかりの中国の発展ぶりを見ているので、さもありなんというのが正直な感想です。
２年前に訪問した時にはキャッシュレス社会の発展の凄まじさを見て驚愕したのですが、日本は今ようやくキャッレスが国の旗振りで、しかも５％還元なんてニンジンをぶら下げて始まりました。
今回、訪問してキャッシュレスもさることながら越境ＥＣを支える様々なサービスの発展ぶりです。
日本をはじめとする海外企業は商品を提供すればいいだけで中国向けのパッケージデザインから始まって様々なプロモーション、サイト告知、さらには保税倉庫と呼ばれる関税がかからない倉庫のＷＭＳとの連携まですべてやってくれます。

杭州の近くの義鳥市では、ありとあらゆるものがそろっている巨大な卸売市場を見学しました。
建物は６棟あってその総延長は５キロ、全部の店舗を一軒当たり３分かけて見て回ると一年半かかるというスケールです。
本当にないものを探すのが苦労するほどです。
そこに世界中の国からバイヤーが来ています。
百円ショップのネタだらけ、ゲームセンターの商品だらけ、もちろん家電製品や機械部品、アパレル、食品、宝飾なんでもござれです。
中国がスモッグと喧騒の街というのは昔の話です。
バイク・スクーターは電動ですごく静かです。
車も電気自動車が税金を優遇されていることもあり都会ほど導入が進んでおり上海はおそらく地球上のどの街よりも静かで、きれいと言っても過言ではないかもしれません。
公衆トイレも清掃員が巡回しており日本の公園のトイレの方が汚いくらい。
これらの改革はキャッシュレスも含めて一党独裁の強引な施策展開がもたらしたものであることは間違いありませんが、中国人は国際化を見据えて文字通り国全体で新たな未来を作り上げようとしています。
その凄まじい変革を支えているのがＩＴ技術であり、特にＡＩです。
働き方改革なんてのんきなことを言っている日本に戻ってくると、このままでは日本は益々国際競争力をなくしていくという危機感を私は中国から帰ってくるたびに強くします。

因みに３０位の日本のすぐ下にインドネシアがいます。
下手するとここにも抜かれかねません。
日本が大きく競争力を失った項目がひとつあります。
それはビジネスの効率という項目です。
つまり日本はビジネスの効率性が低いというわけです。
かつて世界を席巻した日本の経済・産業が今や世界では不効率と見られているわけです。
私達は間違いなく大きな時代の転換点に立っています。
日本が再び競争力を取り戻し、世界経済をリードする存在となるのか。
それともこのまま没落していくのか。
正念場を迎えているというのが私の中国から帰ってきた素直な感情です。

私たち日本人は、余程知恵を絞り、汗をかき、創造性豊かな発想で産業を、いや社会自体を高度化していかないと、海外からの観光客が落としてくれるお金だけをあてにする情けない２流国家に没落しかねません。
インバウンドだ、観光立国だというのは聞こえがいいですが、製造業やＩＴ企業の競争力がなくなり、仕方なしに観光に頼らざるを得ないのが今の日本の姿です。
観光で食っている国はかっての栄光から凋落した国ばかりです。
エジプト、ギリシャ、イタリア、スペイン、ペルー等々。
アメリカも中国、ドイツも観光立国なんて言っていません。
むしろ外国人の入国を締め付けているぐらいです。
ＩＴ産業も含め、やはりしっかりしたモノづくり、そして未来志向の社会があって国は輝きます。
大層な言い方かもしれませんが、当社はその一翼を担うぐらいの気概を持ちましょう。

そんな思いも含めて今朝のフィロソフィは「常にコスト低減、生産性向上の意識で仕事に向かう」です。