大谷翔平から学ぶ人間力とは・・

エンジェルスの大谷翔平選手がMVPに選ばれました。
ある評論家は、満票での選出を彼の人間力の高さも大きな評価理由だと思うと言っていましたが、単に野球選手しての評価にとどまらず、人間として尊敬されての受賞で素晴らしさ以外の何ものでもありません。
彼の人間力の高さは日本にいるときから認められており、高校時代の指導者にも恵まれていたとも思います。
また、愛読書に稲盛和夫、中村天風の名前があり、自分自身でいかに自分の心を磨いてきたかがわかります。

では、人間力ってなんでしょうか。
挙げだすときりがないところはありますが、私はまず挙げられるのはとにかく一旦受け止める力、包容力だと思っています。
私自身、この点はまだまだと反省することが多いのですが、例えばファンへの対応、疲れている時でもファンを大切にする。
ある種の思いやりでもありますが、自己を優先させないわけです。
以前、日本の男子ゴルフのトッププロが試合前日のプロアマ交流のラウンドで、これはゴルフ特有の慣習でスポンサーの皆さんとプロが一緒に回って交流する、時にはレッスンをするということなのですが、これが楽しみでスポンサーになる企業もあるのです。
ところがそのプロはまったくアマチュア、つまりスポンサーを無視し、自分の練習ラウンドのような傍若無人の振る舞いに終始したわけです。
これが多くのスポンサーのひんしゅくを買うきっかけになりました。
この事件以来、スポンサー離れが、あるいは女子ツアーへの鞍替えるスポンサーが増え、今国内ゴルフの男子ツアーは試合数が大幅に減少し、テレビ放映も減り、女子ツアーの方が人気ははるかに上になってしまいました。
たった一人のトッププロの心無い言動がひとつの競技全体の衰退にまでかかわるのです。
トッププロだからこそその影響の大きさを考えなければいけないのです。

組織でいえば上に立つ人ほど、同じことが言えます。
いくら競技能力が高くても、業務能力が高くとも人として尊敬されなければスポーツ選手の人気はいつまでも続きませんし、組織での立場も維持できなくなります。
大谷はそれがわかっています。
ファンへの対応、グランドのごみ拾いを今も続けているのも、自分を謙虚にとらえて周囲への感謝の思いを持っているからできることなのです。
感謝とか思いやりとかは何も人に対してだけではありません。
物や道具、さらには自然に対してまで言えるわけで、よくモノにあたる人がいますが、自分で自分の感情はコントロールできていません、つまり人間力が低いですと認めているようなものです。
大谷は人が折ったバットですら拾う人です。
大谷がそうであるように物を大切にしない人は大成はしません。

人間力とは物も含めたすべてに対する感謝力とも言えるかもしれません。
同時に感謝や思いやりを続けられる意志の強さのようなものも人間力には必要になってきます。
同じことを教えられても続けられない人の方が多いのです。
人間力は自分の理解力も高めてくれます。
人の話を素直に聞けない人がいます。
同じ話を聞いていても解釈が違っていたりする場合もあります。
こういうことがなぜ起きるのかといえば己の考えや己の保身への執着です。
これが強いとあの人はきっとこういうことを言いたかったんだ、自分の都合のいいような解釈につながり、最後はあの人はこう言ったという間違った真実に切り替わってしまいます。

正しく判断したり、正しく状況を把握するには、一度己の考えを無にする、つまり利己から無私へと変換し、最後は相手のことを考えて判断する、つまり利他へと視点を切り替えればそんなに失敗することはないのです。
つまるところこれも包容力に通じます。
一旦、利己を離れる、自己の執着を解くわけです。
でないと相手や違う考えを受け入れることはできません。
そうすると簡単なことを難しく言ったり、言い訳めいた事に終始したりということもなくなってきます。
私はこれも人間力を高める大切な要因だと思っています。
人間力は観察力にも通じると思います。
思いやりが生まれるのは相手をよくみているからです。
だから相手はこうして欲しいんだと思うわけです。

新聞記者時代、特に県政・県議会を担当していた時、いかに相手の本心を読むかと苦労しました。
ちょっとしたしぐさ、態度の変化を見て、嘘か真か判断したものですが、この時も自分を無にしないと読み間違えます。
同じ仕草なのに自分の欲目が入ると間違えるのです。
一旦、無になる、つまり自分を捨てるわけですから、これはなかなか勇気のいることでもあります。
結局のところ、人間力を身に着けるということは、己への執着を解くところから始まるような気がします。
失敗するのも己の考えや主張への執着、お金、出世、名誉、様々な自分の欲への執着があるからなのです。
成功し、尊敬されるまでになる人というのは、そのような執着から離れること、自分の心をコントロールできる人なのです。
プロと回れることを楽しみにしてきたアマチュアゴルファーを翌日の試合の成績ばかりに目が行っていれば、スポンサーの接待ゴルフなんて馬鹿らしくてやっていられないというのが本音でしょう。
でも、自分が成績を出せるのも、その結果、賞金を得て生活ができるのも、すべてそうしたスポンサー、テレビ局、最終的には世間様の応援があってこそなのです。

大谷選手にはそれがみえている、少なくともそのような思考が身についている。
単にピュアに野球の楽しさ、面白さを子供たちを含め世間の人たちに知ってほしい。
その中で自分も持てるすべての力と可能性を出し切りたい。
彼のプレーを見てそのようなすがすがしさを感じるのは私だけではないでしょう。
そのようなきれいな願望を持ち続けることができているのも彼の人間力の証明でしょう。
もちろんその裏では野球選手としての凄まじい努力を続け、アスリート力も維持している。
それがわかるからみんなが感動するのでしょう
この先、彼の財布には何十億円、いや何百億円というお金が流れ込んでくることでしょう。
でも、そうした様々な欲に惑わされることなく、ピュアな気持ちを持ち続け、もっともっと羽ばたいていってほしいと思います。
そして日本が誇る野球選手に、いや世界のアスリートが目標とするようなすばらしい選手に育って欲しいと思います。
今朝のフィロソフィはきれいな心で願望を描くです。


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