トップダウンとボトムアップ

私は自分で言うのもなんですが、ワンマン経営だと自覚しています。
昔、稲盛塾長が経営者の理想像を素晴らしい人格を有した独裁者であるべきだと言われたことがあります。
別にそれを言い訳にしているわけではありませんし、私に素晴らしい人格を備わっていなことは百も承知しているのですが、20期で会社が赤字を出し、稲盛フィロソフィとアメーバ経営で会社を再建すると決めた時から、これは自分が体を張って押し切っていかないと生半可な覚悟では空中分解すると思ったからです。
案の定、結構な数の社員から反発を受けました。
私に合いませんと退職した人、フィロソフィが嫌ならやめてもらって構わないと言ったこともあります。私にとってはオーバーな表現ではなく、まさに戦いでした。

それから10年、シスケンフィロソフィを策定してから7年たちました。
すべての社員がフィロソフィを自分のものにしているとは言えませんし、私自身がまだまだです。
残念ながら未だに発想の起点が自分から始まる人もいますし、入社歴の浅い社員の方の中にはそもそもフィロソフィの理解に至っていない人もいますが、そういうレベルの人も含めてフィロソフィとアメーバ経営が一定程度は浸透してきたと感じています。
何となくですがフィロソフィが示す方向に行かないといけないなぁというようなベクトルになってきており、当社の持ち味、社風になりつつあると感じています。

そろそろワンマン経営だけでなく、下からの意見をくみ上げて物事を決めていくようにもっていかないといけないなぁと数年前から思い始めています。
次の世代への経営の継承を考えるフェーズに入ったこともあります。
創業者の魂だけで引っ張っていく段階からもう一段階、高みに登らなければなりません。
でもそれはボトムアップの経営という意味ではありません。
稲盛さんもはっきり言っていますが、「ボトムアップは民主的で良さそうに見えるがそれだけでは上手くいかない。一方トップダウンだけでは白けてしまう。その両方が必要だ。」
一見、ボトムアップは良さそうで、アマチュアスポーツなどでは自主性の尊重がもてはやされていますが、会社ではなぜボトムアップだけではダメかと言えば、例えばチームの売上目標を立てようとします。みんなで協議すれば無難なできそうな目標が導き出されます。責任感のある人が「そんな目標では会社全体の目標と合致しない。もっと高くすべきだ」と言ったとしても多数決をとればできそうな目標に落ち着いていきます。
出来そうな目標は、やらなければいけない目標、やるべき目標と大きく乖離しています。
やるべき目標は苦労を伴い、辛い思いもするでしょう。
時には残業どころか夜もベットに入っても頭の中で仕事がグルグル回ることだってあるでしょう。
そんな苦労をみんな嫌がります。

でも、成功というものはその苦労の先にしかないのです。
ボトムアップは仲間同士故の妥協が生まれがちなのです。
だから「目標をもっと高くすべきだ」と勇気をもって発言した社員やそれに耳を傾けられる社員を育てなければいけません。
でもそれはすぐにはできることではないのでトップやリーダーがトップダウンで、しかし押し付けるのではなく、みんなでやろうやという雰囲気づくりをしなければいけないのです。そしてそうして頑張る社員を引き上げていく、年齢や社歴ではなくそうした自燃性の社員をしっかり評価していく会社にしなければいけないのです。

ある雑誌にかかれていたそうですが、大学ラグビーで10連覇を成し遂げた帝京大学岩出前監督が、体育会的な体質を改めて、雑用を上級生がやり、下級生が練習に没頭できるようにしてから団結力が強いチームができて10連覇できたとのことです。
しかし、民主的なチームが行きすぎて、仲良しチームになってしまい、その後優勝出来なくなってしまいました。
現在は行き過ぎたボトムアップを反省し、トップダウンとボトムアップの融合を図り、両極端を併せ持つチームに生まれ変わり、今回の大学選手権では、早稲田、明治、同志社を圧倒して優勝し、帝京の復活を成し遂げました。

組織を強くしていくものそれはボトムアップとトップダウンの融合によって全員のベクトルを合わせていくことなのです。
今朝のフィロソフィはベクトルを合わせるです。


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